機友会ニュースデジタル版第123回 マイクロ・ナノメカトロニクス研究室(小西研究室) 坊野慎治 講師『ライスボールセミナー「柔らかな材料(ソフトマター)の物理」「液晶を使って光で遊ぶ~色づいて見える仕組み~」の紹介』

機友会ニュースをご覧の皆様こんにちは. 理工学部 マイクロ・ナノメカトロニクス研究室(小西研究室) 講師の坊野と申します. 先日, 初芝橋本高等学校と初芝立命館中学校の皆さんへ向けた2つのセミナーにおいて講演を行いました. このニュースでは, それぞれのセミナーについて発表内容を簡単に紹介したいと思います. 
  
2021年12月21日(火)に立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催されたライスボールセミナーにおいて「柔らかな材料(ソフトマター)の物理」という題目で, 初芝橋本高等学校の皆さんに,ソフトマターと若手研究者とについて紹介しました. 
 ソフトマターは界面活性剤や高分子, 液晶などの柔らかい物質の総称です. 例えばソフトマターの1種である液晶は結晶的な“硬さ”と液体的な“流動性”を同時に示します. 講演では, はじめに実物や動画を示しながら, 色々なソフトマターについて紹介しました. ソフトマターは与えた外場に対して簡単に大きな応答が得られるという特徴があります. そこで液晶を加熱して相転移の様子や, 液晶ディスプレイのデモなどを見てもらいました. 次に,高校卒業後から若手研究者になるまでについて, 大学での講義や, 大学院進路選択, 取り組んできた研究等を踏まえながら説明しました. 最後に, 現在取り組んでいる研究テーマの「熱流で回転するマイクロ液晶モータ」について紹介しました. 

 また2022年2月25日(金)にオンラインで開催されたライスボールセミナーにおいて「液晶を使って光で遊ぶ~色づいて見える仕組み~」という題目で, 初芝立命館中学校に皆さんに, 講演・デモ実験を行いました. 
 私たちは日常生活の中で, “色”を見かけますが, そもそもなぜ“色”付いて見えるのでしょうか? そしてどのように”色”を制御しているでしょうか? 講演では, はじめに光の基本的な説明(波長や偏光等)を行い, その後, 吸収や散乱, 干渉など“色”を生み出すメカニズムについて説明しました. 当初本講演も対面講演を予定しておりましたが, 諸状況の変化に伴い急遽オンラインに変更になってしまいました. こういった状況下でも, 事務局の方々や初芝立命館中学校の先生方の協力のもと, 偏光板やバイアルなどの実験器具を手配し, 学生の皆さんに自分で実験を行ってもらうことができました. 例えば, 学生一人一人に食品添加物由来のセルロースと水を混ぜてもらい, オパール(構造)色を呈するソフトマター(コレステリック液晶)を作ってもらいました. また2枚の偏光子の間に色々な複屈折材料を挟んで, 複屈折材料が示す干渉色を観察してもらいました. コロナ下で実際に実験したり体験したりする機会が少なくなってしまいましたが, オンラインであっても少しでも実際に自分で科学に触れ合える機会を設けて, 研究に興味を持ってもらえればと思います.
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