機友会ニュースデジタル版第142回 新任教員の紹介 顔 聡 先生
新任のご挨拶
はじめまして。本年度から着任しました任期制助教の顔聡(がんそう)と申します。これから機械工学科の一員として、ご関係者各位と一緒に働けることをすごく嬉しく存じます。
少し簡単な自己紹介をさせていただきます。私は中国江蘇省の出身で、高校卒業後、中国の桜花日本語学校を通して2014年に来日し、今年まで9年間の日本留学生活を送りました。これまで多くの人々に恩恵を受け、立命館の機械工学科に就任することができ、大変感激しております。
機械工学は、現代社会において非常に重要な分野であり、日常生活に欠かせない多くの技術や機械装置を生み出しています。私は、本学科において、学生の皆さんが専門知識を深め、より広い視野を持ち、未来に向けた素晴らしいアイデアを生み出せるよう、全力でサポートして行きたいと考えています。また、私自身も常に学びを求め、最新の技術や知見を取り入れた授業や研究を進めていくことを目指しています。しかし、まだ経験が浅くて未熟な者ですが、これからも微力ながら教育や研究に尽力いたしますので、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
研究内容
脚移動ロボットのリミットサイクル歩容生成においては、適切な駆動力を印加することで、立脚中期のポテンシャル・バリアを突破し、かつ支持脚交換の衝突で失う運動エネルギーを回復する必要があります。一定なトルクでもこれらの条件を達成することは可能ですが、固有の振幅や周期をもたない信号であるため、生成される歩容の頑健性は期待できません。私は大学院の主テーマでは、主に2脚歩行ロボットに対して、思考を経由しない単純な、しかし固有の振幅と周期をもつフードフォワード型の信号、特に1歩分の時間積分値がゼロとなる立脚中期を中心とした時間的対称性を有する制御入力信号により駆動される劣駆動脚移動ロボットの運動生成、および非線形力学特性に関する基礎的な考察と実機実験検証を行いました。
また、大学院の副テーマの関係で、複数台の受動歩行ロボットを対象として、地面環境の不規則な変化(ノイズ的な振動)により、異なる初期状態から出発した受動歩行ロボットは一定の時間と伴い、位相差がなくなる現象を数値シミュレーションおよび実機実験で観測しました。該当現象は共通ノイズによる同期現象となり、非線形ダイナミクスにおいて非常に興味深い現象だと考えられます。ノイズが悪さをするのではなく、同期するのに役に立っているという点に凄く魅力を感じました。
さらに、今年運が良くて、非線形動力学に基づき、音声生成、機械振動などの多様な研究内容を進行しているリズム工学研究室に配属され、新しいテーマにも意欲的に取り組んで行きたいと考えています。
学生へのメッセージ
コロナウイルスの影響で、長時間のオンライン授業が続き、普段の生活も制限され、皆さんには大変な学生生活を過ごしたと思います。特に機械工学科の学生は実験の授業が多くて、実際に手を動かして実験器を操作する機会がかなり減ってしまうことが想像できます。しかし、どんな状況下でも、諦めずに頑張ることは凄く大切です。また、自分自身が置かれた状況に対して柔軟に対応することも必要です。これまでとは違う形で学び、考え、行動することが求められるかもしれませんが、新しいことに挑戦することは、自分自身を成長させる大きなチャンスだと認識してください。ぜひ自分自身を信じて、自分自身に常に挑戦してください。途中で何度も失敗しても、きっと素晴らしい結果を残すことができます。そして、周りの人たちとのつながりを大切にし、お互いに助け合ってこれからの困難を乗り越えていきましょう。