機友会ニュースデジタル版第152回 新任教員の紹介 北川 彩貴 先生

はじめまして.この4月から理工学部機械工学科の助教として着任しました北川彩貴(きたがわ さいき)と申します.これからは機械工学科の一員として研究および教育に携われることを大変嬉しく思います.つい先月まで京都大学で学生/研究生活を送り,晴れて博士の学位を取得しました.そのため,実年齢的にもまだまだ未熟者ですが,これからお付き合いいただく皆様とは是非良い関係を築かせていただけますと幸いです.今後ともよろしくお願いいたします.

ここで自己紹介をさせていただきます.私は京都市で生まれ育ちました.小さな頃から現在にかけて,“マイペースでのんびりしていてボーッとしていることが多い!”と周りの人達からよく言われるのですが,実は違うのです.ボーッとしているのは何も考えていないわけではありません.それは何かを必死に考えているときです.そう考えると学者として必要な要素の一つは生まれながらにもっていたのかもしれません.そんな私の趣味の一つは散歩です.特に,京都の街をあてもなくフラフラと何かを考えごとをしながら散歩するのが好きでした.身体が動いているのと目に入る景色が刻々と移り変わることで脳がリフレッシュでもされているのでしょうか.なぜか,散歩しながらの考え事は良い結論に辿り着くことが多いです.のんびりとした人生を送ってきた私ですが,ついに学生を教育する立場となりました.私の長い学生生活を振り返ってみると, “こんなことを教えてくれる先生がいたらもっとよかったのにな”と思うことが多々あります.私を学者として育ててくれた恩師を目指しつつ,こんな先生がいたらよかったのにと思っていた理想の先生像を今度は自分自身で体現していきたいと思います.

研究内容について

私の専門は物性物理学で,主に新規半導体スピントロニクス材料の開発とその基礎物性の解明を目的とした研究を行ってきました.具体的には,透明導電膜として広く知られている酸化インジウムスズの一部に磁性元素を置換することで強磁性の性質を引き出した“磁性透明導電膜”の単結晶薄膜の開発に世界で初めて成功しました.磁性透明導電膜に関する基礎物性について究めた次の段階として,当該材料がもつ電気伝導性,透明性および強磁性を不足なく応用した新しい機能性をもった次世代型デバイスの開発を目指しています.当然のことながら,デバイスを一から作製するとなると,材料の特性に関する基礎を知っているだけでは不十分で,材料の機械的性質にも着目したデバイス設計からはじめる必要があります.この点に関しては機械工学の強みを活かして,図面設計や金属工作の技術も駆使して自己環境での研究を推進し,次世代型デバイスの開発とその動作原理を矛盾なく説明する絶対的真理を追求していきたいと思っています.

学生へのメッセージ

 これからますます広がっていく交流によって得た縁はひとつひとつ大事にしてください.そうすることで思いもよらない所で不思議な巡り合わせが起き,それがまた次の良縁をきっと連れてきます.

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