2021年4月に着任された先生方を紹介します。今回は藤原 弘 教授です。
機友会会員の皆様、2021年4月より立命館大学理工学部機械工学科に着任いたしました藤原弘です。今後とも、どうかよろしくお願いいたします。私は、1990年4月に立命館大学理工学部機械工学科に入学し、1999年3月に立命館大学大学院理工学研究科総合理工学専攻を修了いたしました。再び、母校に帰って来られて、教員として採用されたことを大変うれしく思い、感激しております。立命館大学を卒業してからは、高知工科大学、同志社大学、静岡理工科大学と様々な土地の大学に勤務し、見聞を広め、人脈も広められました。今後は、これらの経験を活かして、我が母校の学生と教職員、そして卒業生の皆さんと協力し合い、現在、過去、未来を見つめながら、新しい研究開発に取り組みたいと思っています。
さて、私の研究に関してですが、私は微細組織制御を利用した材料開発の研究をしています。特に、粉末冶金技術を用いた微細組織制御を得意としています。1種の金属粉末、または2種以上の金属粉末を混合して加工を施し、それを焼結することで新規の金属材料を創生し、優れた特性を付与することで、新たな金属材料を開発しています。そして、電子顕微鏡を利用した高度な微細組織解析を駆使して、結晶学的な観点から優れた特性の発現メカニズムを解明していきます。最近では、SDGsの達成に貢献できる材料開発や、Society5.0社会に向けた材料開発に興味があり、環境に配慮しつつ生産性を向上させるための金型材料開発やIoT機器の高性能化に貢献できる発熱対策用の材料開発などに取り組んでいます。立命館大学の内外にかかわらず多くの方と共同で研究を行い、社会に貢献でき、実装できる材料の開発を目指していきたいと考えています。
もちろん、研究だけでなく、学生の教育においても、我々教員は社会において重要な役割を持っています。中でも、学生の自らが学ぼうとする気持ちを大切にすることは重要だと思います。学生自身がより深く、より広く学びたいという気持ちを強く持てるように、適切な助言やチャンスを与えることが大切であると考えています。例えば、海外留学、国際会議発表などのチャンスを与えることにより、学生は自身の限界に向かってチャレンジします。そして、それを達成できたとき「自信」を身につけるでしょう。その「自信」は新たな限界に向き合う「勇気」を引き出すことでしょう。次に、その「勇気」をもって、更なる挑戦に向かってチャレンジし、さらに大きな「自信」が得られることと思います。この「自信」と「勇気」のサイクルによって学生は成長するのだと思います。このような成長のチャンスを与えることが重要だと考えています。私は、新たな世界に挑戦できる「自信」と「勇気」を多くの学生に持って欲しいと思います。そして、学生とともに学び、考えるという気持ちを持ち続けて、これからも教育活動を続けていきたいと思います。