「NSK石部工場見学とBBQパーティーのご報告」
昭和43年機械工学科卒 武田幸三
去る9月4日、当滋賀支部(以下びわこ機友会)は本学の学生とNSK石部工場を見学しました。我々と本学との共催活動はここ数年継続しているのですが、若い学生と70歳を超えたOBが一緒になってモノつくり企業を訪問し、共に見学ラインを歩きながら企業の説明員である現場の技術者からモノつくりの視点に立った説明を受けることは貴重な経験でした。
今回はベアリングという単一な機械要素を量産する工場を見学したのですが、説明から確かにベアリングという単一部品の製造に始まっているが、次第に技術レベルが向上し、顧客との信頼関係が構築されて単一部品の製造からベアリングを抱合した周辺パーツに展開していることを知り、モノつくりには常に顧客との共同作業の中でより高度な商品を作り上げるという一面があることを教えられました。OB達は多くがモノつくりの場所で役割を果たしてきたと思うのですが、私自身、金属の焼き入れとひずみ、後工程の研削仕上げの品質安定化、外溝、内溝同士の同軸度を高精度にクリヤすることの困難さを多少経験したこともあり、大変興味深く拝見しました。また、該社は最新の工場らしく、現場での事故防止のためVR教育を実施しており、今回、数人の学生が体験させていただき、大いに盛り上がりました。見学時間は約2時間で生産部長の挨拶から始まり、キチンとスケジュールに沿って見学を終え、最後は全員での写真撮影までお世話になりました。加えて、立命館大学と石部工場が近いこともあり、送迎は専用バスのお世話になりました。
今回の工場見学の学校側の参加者数は11名、OB側は6名で決して多くはないのですが、いつの頃からか、参加者に女性や留学生が参加され、時代の流れを感じています。今回、立命館の引率者の機械科上野明教授より、工場見学後皆でBBQを一緒にしませんかとのご提案をいただき、喜んで、まだ見学の興奮冷めやらないなかで楽しむことが出来ました。食事が進むに従って、椅子に座って動きの悪い我々OBと若く元気な立食の学生との会話が少しずつ弾み、学生たちが今考えている就職、将来のこと、参加の女子学生の「見学はとても面白かった」との感想などを聞くことが出来ました。楽しい時を過ごし、日没を迎えた薄暗闇に気が付きませんでした。
びわこ機友会の活動は本学が京都から滋賀県に移転した時から始まりましたが、時間とともに活動量は残念ながら減少の一途を辿ってきました。今から5年ほど前に活性化活動と称して滋賀県を4区域に分けて、それぞれの地域で食事会を行い、若干の参加者の増加を得ることが出来ましたが、高齢化などで減少に歯止めを掛けることはできませんでした。しかし、少し前から活性化活動の内容を本学の学生との共催という新たな形で進めることで、びわこ機友会の新たな行き方が見つかったように感じています。これも本部が滋賀県にあるという恩恵と思っています。本学との共催時から上野明先生には全面的なご協力、ご指導いただいています。会誌の発行は隔年で次回は今年となります。