機友会ニュースデジタル版第24回 工作センター 山植 肇 氏  「自分をみつめ、皆様に感謝」

「自分をみつめ、皆様に感謝」

 理工学部工作センター 山植 肇

機友会事務局の萩さんより原稿を頼まれたものの延々8月お盆を過ぎ9月お彼岸、ご先祖様に手を合わせ、まだまだ修行の歳であること、衣笠時代の呼称は機械実習工場(工場)BKCへ移転からはワークショップ・ラボ 工作センターに勤務する技術職員です。

当時、学年僅か40人クラスと数名の院生との教学、CNC・情報IT・AIなんて未だ無い時代、今のように解らないことがあればスマホ・インターネットですぐさま画像・映像付で知識を授けてくれる時代が羨ましい。当時は書籍、文献を探しても実際に行う事が困難な時も文章だけに頼る知識だけで加工を行うことはがいかに困難な事であったことか百聞は一見に如かず。その一見が出来ない時代に研究者より持ち込まれる聞いたことも無い金属材料、試料製作に工作機械を稼働させるまでに一週間の文献探し、さらに切削条件など技術誌を読むばかりで遅々と進まぬ試料製作。そんな研究活動の日々にもいくつかの論文の謝辞に山植の名が書かれる喜び。プレハブ棟に並ぶ旋盤、フライス盤、ボール盤、度々の段取り替えに取付け精度出しだけでも四苦八苦、繰り返し研究者の要求精度と加工者側の忍耐、途中で投げ出さず励む心、一歩一歩の積み重ねを大切にした。プレハブ棟の鋳造設備と別れNC工作機械を整備出来たのが1987年でした。砂型鋳造実習では砂の水分管理の日々。耐火レンガを組み上げて熔銑炉を整備して鉄が溶融している様子を実習学生と興味深く捉える。これこそ百聞は一見に如かずでしょう。今では溶接実習で遮光板越しにかろうじて溶融金属を観察できるくらいです。

藤谷先生、黒田先生、宮田先生、岩清水先生、中野先生、教室会議での先生方はどうしてあのように自信満々に持論を展開され議論できるのか若輩の私には不思議でしたし、夕闇せまる頃になると、時実先生辺りから「行きますよ~」と個研室の廊下に木魂、皆さんそろそろと南へは等持院、竜安寺、西へは金閣寺、平野神社、白梅町、足を延ばして千本五番町辺りまで昼夜を問わずの教学談義も懐かしいものです。

お陰様で今年度には、旋盤機能にフライスMilling機能を併せた同時5時軸加工、さらに対向第二主軸を持つことでワンチャキング全加工を行える複合加工機を整備します。

何気ない一日の中にも、特別な一日があったなかにも研究者、学生、院生、職員、沢山の人とがって来たことに感謝いたします。

鋳造実習での鋳込み作業

複合加工機 マザック製INTEGREXi-100s

以下の加工動画でお楽しみ下さい。

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