機友会ニュースデジタル版第71回① 「2018年度機友会賞受賞者の方から受賞の感想いただきました」 堀 憲太さん

機友会賞とは

立命館大学理工学部機械工学科とロボティクス学科において優秀な成績を修められ、機友会賞に値するものと認められた学生に贈られる賞です。受賞者には賞状と副賞が贈られます。

「機友会賞受賞の感想」

立命館大学理工学研究科 堀 憲太

この度は、名誉ある機友会賞の受賞者に選出していただき誠にありがとうございます。このような賞を頂くことが出来たのは大学生活をともに過ごした友人、手厚いご指導をしてくださった先生方、大学の関係者の皆様、基礎を築いてくださった中高時代の恩師、そして心の支えとなってくれた両親のおかげです。心より感謝申し上げます。

今回は機友会受賞にあたって文書掲載の機会をいただきました。これまでの研究に対する取り込みについて紹介をさせていただきたいと思います。

私は、飴山惠教授の材料工学研究室に所属しております。学部時代に材料工学の講義を受講し、社会基盤を支える様々な材料の高機能化・高性能化の研究に興味を抱き、この研究室を選択しました。この研究室で開発された「調和組織材料」は、これまで強さとねばさは両立できないと考えられてきた常識を覆し、私は、当時、炭素鋼にこの調和組織制御を適応させ、組織形成と力学特性の研究をしていました。研究生活は想像以上に過酷で、朝から夜まで研究しても成果がでないということが多々ありました。時には、研究を放棄して、逃げ出したいと思うこともありました。そんな中思い出したのが「やり続ける」という飴山先生の言葉でした。そもそも私たちの研究の柱である「調和組織材料」も失敗の繰り返しから偶然生まれた材料であり、私のこの失敗も無駄ではないと自分に言い聞かせ、研究を続けました。その結果、炭素鋼に調和組織を適用することができ、優れた力学特性を発現させることができました。そして、それらの成果は、三度にわたる学会での発表に加え、特許の申請という名誉ある形でまとめることができました。現在、私は、大学院生となり、炭素鋼から新材料であるCu-Geの研究に取り組んでいます。世界的に見ても、この材料は新材料であり、学術論文なども少ないので、さまざまな発見が期待されている材料です。飴山先生の「やり続ける」という言葉を胸にこれからも日々研究に励みたいと思います。

調和組織材料

学会発表
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