シリーズ「機械系教員が語る鉄道よもやま話⑨」

理工学部機械工学科 上野 明 教授の「機械系教員が語る鉄道よもやま話⑨」
鉄道車両の賞編(その1):の続編です。
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鉄道車両の賞編(その2):

  もう一つの大きな賞は,グッドデザイン賞です.この賞は1957年に制定されましたが,1984年に賞の対象が全ての工業製品に拡大されたのを受け,1986年に鉄道車両として始めて,近鉄の東大阪線(現・けいはんな線)用(大阪市営地下鉄中央線との相互乗入れ用)車両7000系が受賞します.その後も多くの鉄道車両が受賞し,前述のブルーリボン賞とグッドデザイン賞をダブル受賞した車両もありますが,同じ年に二つの賞をダブル受賞したのは,これまでで1回で,京阪電車の3000系(2009年)のみです.

  以上の3つの賞は受賞すると,記念プレートも授与されます.電車の場合は,先頭車の運転席入口扉近くの客室壁に取り付けられることが多いため,探せばすぐ見つかります.

  その他,比較的歴史は浅いですが,鉄道車両も対象とした国際賞としてブルネル賞があります.直近では,2014年にJR九州の「ななつ星in九州」(DF200形7000番台ディーゼル機関車と77系客車)などが受賞しています.

  鉄道車両の賞ではありませんが,鉄道を含めた交通機関(機械工学)の発展に大きく貢献した人に英国機械学会から授与される,国際的にも有名な賞があります.蒸気機関(車)を発明したジェイムズ・ワットにちなんだ「ジェイムズ・ワット国際メダル」です.

  日本人として1969年にこの賞を始めて受賞したのは,東海道新幹線の成功に大きく貢献した(事実上の総括責任者)である島 秀雄です.
 (1991年に本田宗一郎,1995年には豊田英二も受賞しています.)

  以上,鉄道のシリーズ物・第1弾でした.間違った記載等あれば,ご指摘お願い致します.少し休憩し,次は,第2弾として「鉄道模型編」を投稿したいと思います.
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