機友会ニュースデジタル版第109回 「元機友会会長 島田泰男様のご逝去を悼んで」 

2021年1月21日

元機友会会長 島田泰男様のご逝去を悼んで

立命館大学機友会 会長  池田英一郎

同上顧問(立命館大学名誉教授)酒井達雄

令和3年の新年を迎え、機友会会員の皆様にはコロナ感染拡大の厳しい環境の中ながら、お元気にご活躍のことと拝察します。

さて、この度は誠に残念なお知らせでございます。元機友会会長で長年名誉会長をお務め頂いておりました島田泰男様が、昨年末、12月1日に享年94歳にてご逝去されました。ご遺族様から、ご親族様のみですでにご葬儀を済まされた旨のご連絡を頂き、機友会はじめ理工学部や本学全体に多大のご功績を残された大先輩の悲報に接し、ご生前の数々のご指導・ご高配に対し全幅の謝意を表するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

島田泰男様は、昭和22年に本学理工学部の前身である立命館専門学校・工学科をご卒業された後、ご尊父様創業の菊水製作所にご入社され、昭和27年には第2代社長にご就任されています。菊水製作所様は飲み薬の錠剤を製造する打錠機の国内トップメーカーであり、革新的な製薬・打錠機の開発および改良で業界の確固たる信頼を不動のものとし、粉末を固形化する技術で薬剤だけでなく、セラミック粉末の固形化による電子部品などの分野でも新たな業務展開をされるなど、社業発展の上で大きな足跡を残されました。平成3年には社長をご子息・島田啓司様にバトンタッチされ、ご本人は代表取締役会長にご就任、引き続き当社のご発展に尽くされました。

島田泰男様は、社業振興のみならず産業界の活性化や社会の健全な発展にも大きな貢献をされております。ライオンズクラブでのご活躍や保護司としての長年のご尽力は誠に敬服させられる次第です。とくに保護司として刑期満了者の社会復帰・更生に対する長年にわたる大変なご尽力が高く評価され、過年、天皇陛下より叙勲を受けていらっしゃいます。

このような幅広い社会貢献に努められるご多忙の環境下、母校立命館大学の発展にも多大のご支援を頂いて参りました。疲労試験機や各種研究実験機器の開発や本学へのご寄贈、本学園の評議員ご就任、さらに、平成3年から本学理工学部機械系学科の同窓会である立命館大学機友会の第3代会長にご就任頂き、機友会だけでなく理工学部や本学全体の発展に向けて、心血を注いで諸事業のリーダーシップをおとり頂きました。とりわけ、会長ご就任当時に全国(海外も含め)でご活躍の会員規模は8000名にのぼる状況を見て、全国規模で支部組織を確立したいとの熱い思いを胸に、第1号の支部として1992年9月にはびわこ・くさつキャンパス(BKC)の開設とも連携させて、滋賀支部の設立をご指導頂きました。続いて同年中に北陸信越支部、京都支部が矢継ぎ早に設立され、その後、13ブロックに分割された各支部が順次設立され、2001年3月には第13号の東北支部が設立され、立命館大学機友会の全国支部組織が確立されました。この支部組織の確立は、まさに島田泰男様の力強いリーダーシップにより実現したもので、改めて島田様のご指導に対し、深甚なる謝意を表する次第です。

さらに、従来より理工系学科には学科ごとの同窓会組織があり、数物会、応化会、電友会、機友会、建設会などが独自の運営をされており、1994年のBKC開設を契機とした本学の著しい発展と呼応する形で、1996年には理工学部創立60周年記念事業が企画され、理工系の記念校友大会の開催と記念資料集の出版がセットで推進されました。この時の記念校友大会実行委員会の委員長は、当時機友会会長をお務め頂いていた島田泰男様にご就任頂き、各学科の同窓会が連携する方式で所定の事業を成功裏に遂行頂きました。この記念事業の大成功を起点として、理工系の各学科同窓会を束ねる同窓会組織の必要性が指摘され、各学科同窓会を横に繋いだ「理工系同窓会連絡協議会」が結成され、島田泰男様が初代会長にご就任され、本学の理工系の学部規模の同窓会組織ができあがり、その後の大きな発展の礎になっています。

上に記載させて頂いたとおり、島田泰男様は本学の機械系学科だけでなく、理工系学部や本学全体の発展に向けて、各当該組織の会長などの要職をお務め頂きながら、長年にわたり、文字通り渾身のご尽力とご指導を頂きました。このたびの訃報に接し、誠に寂しく残念でなりませんが、会員の皆様とともに偉大な大先輩のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

                                   合 掌

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