機友会ニュースデジタル版第71回② 「2018年度機友会賞受賞者の方から受賞の感想いただきました」 塩見 涼太さん

機友会賞とは

立命館大学理工学部機械工学科とロボティクス学科において優秀な成績を修められ、機友会賞に値するものと認められた学生に贈られる賞です。受賞者には賞状と副賞が贈られます。

「機友会賞受賞の感想」

塩見 涼太

この度は、機友会賞という名誉ある賞をいただき、大変光栄です。受賞時は大変嬉しかったことを覚えています。今まで支えてくださった方々に感謝しています。ありがとうございます。

学部4年次は、下ノ村教授のセンサ知能統合研究室に所属していました。そこでは、マルチロータ型UAV(ドローン)によるバルブ開閉作業の実現に向け、研究を進めました。ドローンがバルブ開閉作業を行うことができれば、災害時のがれきで人間が近づけない場合でもバルブを操作し、ガスの開け閉めなどを行い、二次災害を防ぐことができます。今まで、世界の研究論文の中に、ドローンにより大きなねじりトルクを生み出すことができた成果はありませんでした。今回の研究では、波動歯車装置をドローンに搭載することで、歯車の力を利用し、大きなトルクを得ようと研究を行いました。波動歯車装置の一部のギヤを固定するために、機構を工夫する必要があったりと様々な困難がありましたが、最終的にバルブ開閉作業をドローンで実現することに成功しました。この研究成果は、バルブ開閉だけでなく、ドローンでココナッツを採取したり、高所での電球取り外し作業を行ったりするなど、大きなねじりを必要とする様々な作業への応用が期待できます。

卒業論文では、英語での論文も書き上げたいと思っていたため、卒業論文の執筆がかなり大変になりました。指導してくださった下ノ村教授、また英語論文執筆を助けてくださったLadig助教や他院生の方々にも感謝申し上げます。英語での論文執筆は、今後エンジニアとして世界で生きていくには必要なことであり、大変貴重な経験となりました。

現在は、ヴルカヌス・イン・ヨーロッパというプログラムに参加し、アイルランドに留学しています。このプログラムは、ヨーロッパでの4ヶ月の語学研修と8ヶ月の企業研修から成り立つ、経済産業省支援による奨学金つきプログラムです。(お金の心配なく1年間ヨーロッパで生活できるため、国際的に活躍したい理工系学生にはおすすめのプログラムです。)私は、アイルランドでの英語研修の後、ベルギーの企業にてセールスエンジニアとして働く予定です。

現在留学中のアイルランドは、自然が溢れ、毎日歩いているだけでも新たな発見があり、日々が刺激的です。治安はヨーロッパの中では良い方であり、自然も豊かで、住みやすい国であると感じています。今後は、世界のどこでも活躍することができるエンジニアになれるよう、日々精進していく所存です。

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写真1:ドローンでのバルブ開閉作業(波動歯車装置をドローン下部に搭載)

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写真2:アイルランド・ダブリンの風景。都市中心部には、リフィー川が流れ、川の南北に町が広がっている。

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