機友会ニュースデジタル版第157回 新任教員の紹介 袴田 遼典 先生

新任のご挨拶

2026年4月より理工学部ロボティクス学科に助教として着任した袴田 遼典(ハカマタ リョウスケ)です.今後ともよろしくお願いいたします.

3月までは東京科学大学(旧東京工業大学)の学生でした.初関西・初一人暮らし・初教員で何もかもが新鮮です.そのため不慣れなところも多いですが,精進していきたいと思います.

スペイン留学時の一枚

研究内容

私は“世界で最も難しい投擲”ができるロボットの研究をしています.

人類はこれまで様々な投擲技術を磨いてきました.その中で,釣魚の一手法であるフライキャスティングは「軽いものを遠くへ飛ばせる」という特異な性質を持っています.一般的な投擲手法は,投擲物の慣性を利用して遠くへ飛ばすことができます.一方,フライキャスティングでは比較的軽量な疑似餌(フライ)を,釣り糸(ライン)の質量を利用して遠くへ飛ばすことができます.この実現には,ラインを先端に付けた釣り竿(ロッド)を前後に振る動作で,ロッドのしなりを活用してラインを加速させながら空中に維持する技術が必要となります.

ロボット分野では,様々な投擲ロボットが研究されてきました.もしフライキャスティングのように軽量物を遠くへ投擲できるロボットが実現できれば,重量物が搭載できない小型移動ロボットに搭載してその作業領域を拡大するなどの応用が期待できます.

しかし,フライキャスティングは,長年の熟練による匠の技によってのみ実現されます.これは,フライキャスティングの方法論が明確でないためです.そこで私の研究では,まずフライキャスティングの方法論を明確にし,投擲ロボットの設計理論の構築を目指しています.

実機検証中の様子

このように,私は現在,フライキャスティングという人間の高度な技能を題材に,複雑な運動を生み出す仕組みをロボット工学として理解・設計する研究に取り組んでいます.この研究を土台として,今後は「動きを生み出す仕組みそのもの」にも関心を広げ,機構学の観点から,新しいロボットの設計理論の体系化について研究していきたいと考えています.

学生へのメッセージ

皆さんは自身にとって“勉強”をどのように定義しているでしょうか?私は,「当たり前を増やすこと」と考えています.例えば,受験勉強で数学を懸命に勉強した方であれば,二次方程式の解の計算は,わざわざ公式を導出するまでもなく反射的に手が動いて遂行できるでしょう.また,日本人の学生の多くは日本語で会話できることが当たり前であり,おそらく各文字の発音を意識してはいないと思います.しかし解の計算も文字の発音も,知識として得るだけでなく,意識的に行ってきた過去の経験から,現在当然の如くできるのです.このように,事実を知識として習得するだけでなく,繰り返しの中で意識せずに使えるようになることが勉強であると考えています.そしてこれは学問分野に限らず,スポーツやゲーム,様々な趣味の活動でも同様です. 人生では,やりたいことや困難に対応して,何かしらを勉強する必要があります.そのとき人は,自身の培った経験や感覚を組み合わせながら新しい知識や技能を獲得し,反復を通してそれらを無意識に使える状態へと成長していきます.是非,意識的にこれを繰り返すことで,是非,意識的にこれを繰り返し,自分の中の「当たり前」を少しずつ増やしていってください.

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