新任のご挨拶
2026年4月より立命館大学理工学部機械工学科に着任しました三好智也と申します。機友会の皆様には、このような形でご挨拶の機会をいただき、大変嬉しく思っております。
私は香川県で生まれ、高松工業高等専門学校(現・香川高等専門学校)を卒業後に東京工業大学(現・東京科学大学)に編入、総合理工学研究科にて修士・博士課程を修了しました。その後、東京大学機械工学専攻にて特任助教として研究・教育に従事してまいりました。これまではMEMS技術を基礎として、人体運動や風、振動などの身の回りの普遍的なエネルギーから電気を生み出す環境発電(エナジーハーベスティング)の研究に取り組んできました。特に、エレクトレット(半永久的に電荷を固定した絶縁材料)を利用した静電発電デバイスを中心に、ウェアラブル自立電源や超低風速マイクロ風車などの研究を進めてきました。近年では、NHKの教育番組において研究成果を取り上げていただく機会もあり、研究室で開発した環境発電システムの技術協力を行いました。
一方で現在は、環境発電技術だけではなく、微小発電の物理をどのように知能化へ繋げるか、という点にも興味を持っています。そのため、エレクトレット材料や柔らかいゴム材料を利用し、発電の物理そのものを情報処理へ応用する物理リザバー計算の研究にも取り組んでいます。将来的には、環境中のわずかなエネルギーだけで自律的に動作するエッジAIデバイスの実現を目指しています。
学生へのメッセージ
研究というと、教授やシニア研究者だけが特別な知識を持って進める世界のように感じる方もいるかもしれません。しかし、私自身は、大学における科学技術研究の最も特徴的な点の一つは、立場に関係なくデータと論理に基づいて公平に議論できることだと考えています。研究の現場では、それを実施したのが教授であっても研究1年目の学生であっても、確かな実験結果・計算結果は何よりも尊重されます。このような環境は、一般企業で働き始めてからは得ることの難しいものだと思います。
そのため、学生の皆さんには遠慮せずに、ぜひ自由に考え、積極的に行動し、さまざまな疑問を持ち、議論に参加してほしいと思っています。研究活動では失敗することが多くありますし、それは当然のことです。失敗もまた、新しい発見へ繋がる重要な過程です。大学という場所、特に研究室は、フェアに議論しつつ失敗しながら挑戦できる貴重な環境ですので、安心してさまざまなことに挑戦してほしいと考えています。自分の考えたものが実際に動いた瞬間や、世界で初めての結果が得られた瞬間には大きな達成感があります。その面白さを経験してほしいと思います。
機械工学は「ものづくり」の学問であり、社会課題の解決とも直接的に結びついてきます。そのため、様々な異分野や企業とのコラボレーションの機会も多くあります。学生の皆さんには、自分なりの面白さや楽しさを見つけつつ、活動の中で得られる様々な機会に挑戦してもらいながら、研究や学びに取り組んでいただければ嬉しいです。


