―ご挨拶―
4月より理工学部機械工学科に准教授で着任いたしました福留と申します.
2013年3月に名古屋工業大学で博士を取得し,2013年4月から2018年3月まで立命館大学理工学部機械工学科の特任助教を務めさせていただきました.その後,東京理科大学と金沢工業大学に勤務させていただいた後,8年ぶりに戻って参りました.再び,立命館大学の教育・研究に関わる機会を頂戴し,身の引き締まる思いです.
―研究内容―
私の研究分野は熱や流体の流れのシミュレーションを行っております.現在は乱流の熱輸送の効率化に関する研究や電磁モータの油冷却システムの研究,航空機の安全性向上に関する研究を行っています.
乱流の熱輸送の効率化に関して,乱流という流れは功罪があります.乱流は,熱輸送や物質混合を促進しますが,流れの抵抗をも増大しポンプ動力が増してしまいます.これは,コルバーンのアナロジーに代表される相似性によるものですが,この相似性を崩し,熱輸送が効率的に行える流れの実現を目指して,乱流のメカニズムと制御手法の開発を行っています.
電磁モータの油冷却システムの研究は,近年のEVなどで使用されているモータの冷却方法として直接油を発熱部に噴き付ける油冷却システムにより効率的なモータの実現を図ることを目的としています.油をコイルの折り返し部(コイルエンド)に当てて効率よく冷却を行うため油の噴射から流動の様子,排熱特性までを予測・効率化するシステムの構築を行っています.
航空機の安全性に関して,航空機で問題となる自然災害である,航空機着氷やデポジション・エロージョンの研究をしています.航空機の運航には燃費などの効率化も非常に重要ですが,安全性の向上も重要です.例えば,火山が噴火すると航空機は飛べません.これは航空機のエンジンが火山灰を吸い込むと圧縮機のエロージョン(壊食)やタービンでのデポジション(付着)が生じることで,運行安全性に大きな影響を与えます.一方,雲などを航空機が通過すると着氷が起きます.これは,上空の雲が過冷却液滴から構成されて,航空機への衝突をきっかけに過冷却解除し付着するものです.これらエロージョンやデポジション,そして着氷現象の予測とそれらの低減手法の開発に取り組んでいます.これら重大なインシデントの予測と制御を行うことで,飛行性能を維持しながら安全な航空機の運転を実現する技術開発を行っています.
このように,様々な流れを対象としてシステムの効率化と安全性向上に貢献できる技術の開発を行っています.
―学生へのメッセージ―
私が機械工学を専攻するきっかけは,高知高専に入学したことでした.ただ,入学してからも「機械工学科=モノづくり」であることが曖昧な状態で,ただ目の前の勉強に取り組む毎日でした.しかし,学びを進める中で,機械工学が扱う現象の幅広さや,そのメカニズムを解き明かしていく面白さに触れ,機械工学の奥深さに魅了されていました.
特に,流体力学を学んだ際に,空気や水の振る舞いが実に多様で複雑な振る舞いに強く衝撃を受けました.目には見えない流れですが,実際に可視化してみると驚くほど複雑な振る舞いをしています.この不思議さを皮切りに流体力学にのめり込みました.現在では,熱力学や伝熱工学の知見も入れながら,熱流体工学に関する研究を行っています.
機械工学は,モノづくりの基盤となる非常に広い学術領域です.この中には,きっと皆さんが興味を持てる分野が必ずあります.そして,奥深い分野ばかりですので,夢中で取り組めるテーマに出会えることでしょう.一緒に機械工学を学べることを期待しております.


